ピラティスとヨガ
こんにちは。昨日とは打って変わり今日はとても良いお天気ですね。昨日はピラティスの歴史についてお話し、その中でピラティスとヨガの違いについて簡単に、ピラティスは筋肉を鍛えるエクササイズ、ヨガは精神性と柔軟性重視の動きとお伝えしました。今日はもう少し違いについてお伝えしたいと思います。
まず呼吸が違います。ヨガは腹式呼吸なのに対し、ピラティスは胸式呼吸です。ゆっくりと深い呼吸をすることはガス交換が効果的に行われるだけでなく、リラクゼーション効果や自律神経のバランスを整えるのにも役立ちます。ヨガの場合ここに瞑想を加え、つらいポーズをとっていても安定した呼吸を心がけていくことで、精神的にも肉体的にも良い状態へ導き、それが日常生活にも役立っているのでしょう。大自然の中で自然のエネルギーを受けながらヨガをする、なんて考えただけでも清々しくなります。
一方、なぜピラティスは胸式呼吸なのでしょうか。前述のとおり、ピラティスは筋肉を鍛えることを目的としています。腹式呼吸はお腹を膨らませること、つまり腰部・腹部をサランラップのように覆っている腹横筋という深層筋がゆるんでいる状態です。この状態でエクササイズをすると腰背部の安定が損なわれ、とても危険です。初めてピラティスをするという方には、呼吸方法をとても重視してお伝えしています。
胸式呼吸とはいっても、胸部上部だけへの浅い呼吸は呼吸筋の使いすぎを招き、首や肩を緊張させてしまいます。腹式呼吸はエクササイズ中に腹筋を弛緩させ、腹筋による腰背部の保護がない状態になります。そこでSTOTT PILATESは胸郭の下・後ろ・脇へ立体的に呼吸をすることをお勧めしています。この呼吸は、普段忘れがちな胸郭の後部を開く事を可能にすると同時に、深い呼吸を可能にします。またこの呼吸方法では、吐く息でお腹をうすーくしていく練習をします。薄いお腹のまま息を吸い、さらに吐く息時にお腹を薄く、この吐く息は深層筋(腹横筋・骨盤底筋・多裂筋)の収縮を促します。その結果、骨盤と脊柱、特に腰部を安定させることができるのです。
例えば、ヨガのコブラのポーズとピラティスのスワンは見た感じでは似ています。ピラティスでは、腰背部を反らせる時も、お腹をしっかり締め、腰の柔軟性だけでなく、長い背骨を保って、背骨をひとつひとつ動かし脊柱全体を使う事を指導します。ヨガの方も試してみては?腰の柔軟性だけでやると危険ですよ。
ピラティスも自然のエネルギーを感じながらやってみたいですね。山登りとピラティスなど、山頂でピラティスをやる、というのも素敵ですね。いつか企画します。