筋肉のスイッチが入る順番

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こんにちは。もう12月も中旬、あっと言う間に年の暮れですね。それにしても寒い日が続きます。ラニーニャ現象が発生しているとか。1月以降、大雪にならなければ良いですが・・・。

さてさて、今日は「筋肉のスイッチが入る順番」というよくわからないタイトルでブログを書いてみます。スイッチという表現が正しいかどうかは微妙ですが(;^_^A

筋の生理機能は大きく分けて3つに分類されます。TypeⅠ(または遅筋、ローカルスタビライザー)、Type Ⅱa(または速筋、グローバルスタビライザー)、TypeⅡb(または速筋、グローバルモビライザー)で、ピラティスで一番最初に呼吸とともに使う腹横筋、骨盤底筋、多裂筋などのいわゆるインナーマッスルはTypeⅠの遅筋に属します。ちなみにいわゆるシックスパックでおなじみの腹直筋や前腿(四頭筋)などのアウターマッスルはTypeⅡbの速筋に属します。

遅筋と速筋の違いですが、遅筋はささやく筋肉といわれ、収縮速度が遅いものの、持久力にすぐれている筋肉です。一方、速筋は叫ぶ筋肉ともいわれ、強く速く収縮するものの、疲れやすいという特徴があります。遅筋のエネルギー源は脂肪、速筋は筋肉内の糖をエネルギー源とします。遅筋は縁の下の力持ち。関節の動きの調整を絶えず行ってくれて、動きの準備段階で最初に運動を始める筋肉です。そう、これがスイッチの入る(入るべき)順番です。この筋肉がまず最初に動いてくれないと例えばシングルレッグエクステンション(うつぶせになって片足をわずかに上げる)の時、腹横筋が使われていと、骨盤や腰が動くなど安定をしない動作が生まれます。腰部・骨盤間を安定させるため、ピラティスのレッスンでは必ず呼吸で腹横筋、骨盤底筋を使うところからエクササイズを始め、次第に大きな動きへと移行していきます。安定のないまま例えば腹直筋だけを使うとしたら・・・それは腰痛へとつながっていくのは想像に難くありません。

この腹横筋などの縁の下の力持ち、インナーマッスルは高い固有感覚受容器を持ちます。固有感覚受容器とは「バランスが崩れた」とか「体重のかけ具合はこんな感じ」という情報を脳に送ってくれるセンサーのようなものです。脳はその情報をもとに「じゃ、バランスを戻そう」「こっちに体重をかけよう」などの命令をします。つまずきそうになった時、つまずかないように体が反応してくれるのはそういった働きによります。この働きは無意識で行われているため、ひとたび働きが低下すると身体の運動機能は低下します。例えば捻挫を繰り返すのは、このセンサーの働きが悪くなることが原因です。怪我をしたら、じっくりと固有感覚受容器の働きをに戻すことが大切です。で、話が横道にそれましたが、腹横筋などのインナーマッスルは高い固有感覚受容器を持っています。そして固有感覚受容器の刺激によって誘発される、つまり鍛えることが可能になります。当スタジオでも時々導入していますが、フォームローラー(ポール)の上にあおむけになって、テーブルトップ(足を上げる)などの動作をします。あるいはグラグラとするクッションの上に乗ったり、ローテーションディスクなどに乗ってエクササイズを行います。グラグラとする不安定な環境でバランスを取ることは、力でなんとかすることはできません。筋力の強い、運動を多くやってきた方ほど苦手のようです。

まずは腹横筋で体を安定させて、それからダイナミックな動きができるようになれば理想的ですね。ピラティスではそんなお手伝いをすることが可能です。