腰まわりに激しい痛みを感じる坐骨神経痛。しびれを感じることもあるため、仕事や家事が思うように進めることができず、日常生活に支障が出てしまいます。
ひどい場合には歩行困難に陥ることもあるため、一刻も早い対処が必要です。坐骨神経痛の原因や、ピラティスを用いたエクササイズの効果などについてお話しします。
坐骨神経痛の原因
「坐骨神経痛」は、「神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)」の一種とされる疾患で、腰椎・骨盤の近くにある坐骨神経が圧迫されることによって起こる痛みのことをいいます。
坐骨神経が圧迫される原因はさまざまですが、代表的な理由としては、以下の3つが考えられています。
【姿勢の悪さ】
猫背などの悪い姿勢を保ったままデスクワークを行うと、坐骨神経痛になりやすいです。また、スマホでSNSやゲームなどに熱中するあまり、首を前に突き出し、うつむいた姿勢を長時間続けるのもよくありません。
【重たい物を持つ】
腰まわりに負担のかかるような重い物を持ち上げたり、その状態で階段をのぼりおりしたりすることで、坐骨神経痛になることがあります。
【肥満、太りすぎ】
体重が増加すると、身体を支える腰への負担が大きくなるために、坐骨神経痛を患うことがあります。
食べ過ぎを抑え、栄養バランスのよい食事を摂るほか、適度な運動を行うなどして、適正体重を保つことが大切です。
【加齢】
年齢を重ねるとともに、インターマッスルが衰えてきます。
そして、筋肉の衰えによって坐骨神経痛を患うことがあります。筋トレでは主にアウターマッスルを鍛えるため、いわゆる「筋トレ」では鍛えることができない筋肉です。
ピラティスなどのエクササイズを取り入れることで、インナーマッスルを鍛えることができます。
ピラティスでインナーマッスルを強化することで坐骨神経痛の痛みを解消
坐骨神経痛を引き起こす主な4つの原因についてお話ししましたが、いずれも、身体を支えるのに十分なインナーマッスルが鍛えられていないことが原因です。
インナーマッスルの弱まりが発端となって、身体の重みを支える坐骨神経が圧迫され、痛みを発症させるといった流れです。
つまり、身体を支える腰まわりのインナーマッスルを鍛えることが、坐骨神経痛の解消に効果的なのです。
そこでおすすめしたいのがピラティスです。ピラティスには、腰まわりのインナーマッスルを効率的に鍛えることができるエクササイズがあるので、坐骨神経痛の「抜本的な緩和」に効果的です。
そのほか、前かがみになると痛みが強くなるヘルニア型の坐骨神経痛の緩和にも有効です。
ピラティスはリハビリの一環として誕生したエクササイズ
ピラティスは、1920年代にドイツの従軍看護師であったジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティスによって開発されたエクササイズです。
戦争で負傷した人や病気を患った人の治療を促進するために用いられました。ジョセフのエクササイズは、多くの人々の痛みの軽減に貢献したり、病気やケガの後のリハビリとして効果があり、回復を早めたりしたことから、彼のエクササイズが「ピラティス」として確立されるようになりました。
ピラティスは2013年ごろから再び注目されるようになり、2016年から爆発的な勢いで人気を集め、現在では年間に1700万人もの人がピラティスに取り組んでいます。
そして、世界中のトップアスリートやモデル、ハリウッドセレブなどから絶大なる信頼を集めるエクササイズの一つとして、その地位を確立しています。
ミランダ・カーやレディガガ、今年引退を発表したイチロー選手などもピラティス経験者です。
専門インストラクターからの適切な指導を
ピラティスが誕生した背景について知ると、ピラティスはダイエットや美容のためだけではなく、病気を患ったり、ケガをした人のリハビリに効果的なエクササイズだということがわかります。
そのため、ピラティスは、坐骨神経痛やヘルニアなど症状緩和に貢献するエクササイズなのです。
しかし、ピラティスを行うにあたっては、「正しいやり方」を身につけることを第一に心がけてください。
そのためには、ピラティス関連の資格を持つプロのインストラクターに直接指導を受けることが大切です。正しいやり方を学ばずに自己流を貫いたり、症状に応じたピラティスを行わなかったりすると、症状を緩和させるどころか、悪化させてしまうこともあります。
さらに、インストラクターの選定には、細心の注意を払ってください。インストラクターの中には、正しい動きができておらず、自身が腰痛持ちという場合もあります…。インストラクターの資格や実績をしっかりとチェックした上で、スタジオ選びするようにしてくださいね。